委員会が終わり、俺はリュックを持って外に出た。
秋斗はサッカー部で、凰牙と彩芽は軽音楽部。
今日は三人とも部活があるらしい。
「おーっ、紫水〜!イデッ」
「試合中によそ見なんていいご身分だなぁ、おい?」
俺を見つけた秋斗がグラウンドから手を振り、先輩に頭を叩かれてる。
……バカなのあいつ。
思わずクスリと笑みをもらした。
そのまま校門を出て、なんとなくすぐ家に帰りたくなくて遠回りする。
あの空っぽの家にいる時間は、最低限にしたいから。
少し歩くと、海沿いの道に出た。
ちょうどいい、ここでぼーっとしてればその内日も暮れるだろ。
ジャリジャリと砂を踏み、波打ち際へ歩いて行く。
そこへリュックを置いて座り込む──はずだった。



