「どこか、部屋探してる?」



聞くと、澪はスッと指差した。

方向は……え、俺?



「俺の部屋は、澪の隣。ほら」



ドアを開けると、彼女はじっと見つめた。

全体的に黒が基調の俺の部屋は、最低限の物しか置かれていない。

だからそんな見たって面白くないと思うんだけど……。



「そういえば澪、何か欲しい物とかある?」



見たところ何も持っていなさそうだし、澪の願いは叶えたい。



『かみ』

「……?紙?」



絵でも書くのだろうか。

と思った矢先に。



「……っ!あぶね、」

『手帳が、欲しい』