「はい、着いた。ここが俺の家……あ、ちょっと待て」



玄関に入り、澪を下ろすと興味深々に歩き出そうとするので慌てて止める。



「ここに座って。足、汚れてると思うから」



濡らしたタオルを持ってきて澪の足の裏に当てると、ピクリと体を震わせて足を引っ込めた。



「?……あ、くすぐったいんだ」

「っっ!」



顔を赤らめた彼女はタオルを奪い取り、自分で拭き始めた。

……おもしろ。


その後、澪を部屋に案内する。



「澪の部屋はここ。元々、奈月って言う双子の妹の部屋だった所。好きに使っていいよ」



ぺこり、と会釈した澪は急にキョロキョロし始めた。