俺は澪の手を取り、立ち上がらせる。

とその時、彼女の足が裸足なことに気づいた。



「……なんで裸足なの?靴は?」

『ない』



口パクでそう伝えられ、唖然とした。

いや、だってないって……。

俺は考えるより先に彼女の背中と膝の裏に手を回し、抱え上げた。

……は?軽っ。



『⁉︎⁉︎⁉︎ まって、おろして!!』

パニックになったのか、手足を動かす彼女を落とさないように自分の方へ引き寄せる。



「俺の家までは少し距離がある。それに道には何が落ちてるか分からないし、危険だろ?」



澪の耳元で囁くように言うと、スッと大人しくなった。

しかし怖いのは変わらないらしく、地面を見ながらギュッと服を掴んでくる。

その仕草に驚き、思わずじいっと見つめてしまった。

澪……さっきから思っていたけど、見た目からは想像もつかないほど幼い……?のか?



「澪って、本当に16歳?」



色々な意味を込めてそう言うと、こちらを見上げた彼女はニコニコと笑いながら首を傾げた。

……なんだそのあやふやな反応。