ミカは手づくりプリンセス 色の魔法でご利益バツグン!

 今日はリサの発表会の日です。ミカたちは張り切っておしゃれをして会場に行きました。席に座って、リサの出番を待ちます。ミカと同い年くらいの小学生から、高校生や大学生まで、いろいろな人が演奏していきます。
 リサの出番がやってきました。フリルやレースのついた黒いドレスの胸元に、お守りのペンダントが揺れています。
「プログラム22番、霞リサさん、曲は『エリーゼのために』です。」
リサがピアノの前に座り、鍵盤に指を乗せます。この前リサの家で弾いてもらった時よりも、段違いにうまくなっています。このままノーミスで弾き終えるかと誰もが思いましたが、最後の方に少しミスをしてしまいました。しかし、色の魔法のペンダントのおかげでしょうか。何事もなかったように演奏し続ける事ができました。
 会場は大拍手に包まれました。リナやリサの家族たちは涙を流しています。それにつられて、ミカも少し泣いてしまいました。
 発表会が終わったあと、ミカたちはリサと会って話しました。
「ありがとうございます。あなたたちのおかげでミスをしても落ち着いて演奏に集中できました。」
リサはミカの手を握り、何回も何回もお礼を言いました。リサはこれまで、演奏中にミスをしてしまうとパニックになってしまって演奏が続けられなくなってしまっていたようです。一回り成長したリサは、もうリナの後ろに隠れることはないでしょう。
The end