ミカは手づくりプリンセス 色の魔法でご利益バツグン!

 今日は、アクセサリー作家認定試験の合格発表です。何百人もの人が自分の受験番号を探して、広場のモニターとにらめっこしています。その中に一人、ひときわ小さい女の子がいました。光の国のプリンセス、ミカです。ミカは、手づくりが大好き。十歳にして、自分のお店を持つために試験を受けたのです。
「5975、5975……、ない、ないわ!!わたしの受験番号が、ない!!」
ミカの叫びが、広場中にこだまします。ミカは試験に落ちてしまったようです。
(問題。街の地図から広場を探す。)
 この試験では、毎年一万人が受験して、9999人が合格します。落ちてしまった一人は、ニンゲンの世界で1年間の修行をしなくてはいけないのです。今年はミカがその一人になってしまいました。
 ミカはとぼとぼと家に帰り、ぶつぶつと文句を言いながら旅の支度を始めました。裁縫道具やお気に入りのビーズなど、修行に必要なものをたっぷりトランクに詰めて、閉まらなくなりそうな蓋をお母さんとの2人がかりでなんとか閉めました。
 支度が終わると、いよいよ出発です。家族や友達など、たくさんの人が見送りに来てくれました。しかし、その見送りに応える気は起きませんでした。プリンセスである自分が試験に落ちてしまったということが、ミカには許せなかったのです。ミカは最悪な気持ちで光の国をあとにしました。