大学の入学式も無事に終わり、両親にバイトの許可を貰う事を話すと、週末だけならと言われた。
有難い事に自分のわがままで上京したのに、生活費も送金してくれる両親
その中で生活はできるのだが、さくらはデパートで見た指輪と店員さんの話が忘れられず、その為にバイトをしたかったのだ。
偏差値ギリギリで入った大学だから勉強はちゃんとする事と、前期試験が悪かったら駄目とか、夏休みからにする事と条件はあったが、大学にも慣れていかなきゃと夏休みからのバイトの条件をのんだ。
大学生活も始まり、女性なのに身長170cmの高身長、高校では目立っていて猫背気味のさくらだったが大学は大勢の人がいる中、女性でも高身長の人もたくさんいて自然に姿勢も伸ばして過ごせている。
そして高校までバスケ部だったさくらは大学のバスケ部の見学と体験は行ってみたものの、レベルの高さに諦め、サークルの方に入り、週2回楽しくバスケは続ける事にしたのだ。
そして家では中学で自分のお小遣いからずっと購入しているバスケの月刊誌をベッドで読んでいた。
過去の雑誌も家から何冊か持ってきている。
さくらは高校のインターハイで見たプレーが忘れられなくて、イケメン高校生と特集も組まれていた同じ歳の佐野遥海(さのはるみ)くんの記事を毎日見ている。
すごく人気もあり女の子のファンも多いらしい
実は彼の選んだ大学を雑誌で知って私は同じ大学を受験する事に決めたのだった。
推薦をもらっていた遥海くんは大学進学を決めた時に雑誌に載り、さくらは大学を知り、それから猛勉強を始めた。
Bリーグか大学か、遥海くんの進路は雑誌でも取り上げられていたから進学と記事に出た時にすぐにさくらは資料を取り寄せた。
地元の大学からはバスケ推薦をもらえていたのだが、初めて親に自分の意見を言ったのだ。
行きたい大学があると……
「かっこいいなぁ、でもなぁ…はぁ…」
さくらは雑誌を眺めながら毎日雑誌の遥海くんを見ていたが、実は同じ講義に遥海くんがいる事を知ったのは入学から1ヶ月ほど経ってからのことだった。



