私は魔物、紫魔球を消し去り、魔力を自分の体内へと戻した。そして私はある作業に取り掛かる。その作業とは魔法陣展開、、元々この大陸を滅ぼす気だった。だが、露はいっていたのだ《僕はこの大陸が大好きだ》
露が大好きと言った場所を壊す気にはなれず、この魔法陣をずっと作っていた。だけど預言者の言葉も真実にさせれば大陸を窮地に追い込んだ悪と言う名と大陸を元通り以上に直した救世主の2つの名を貰えて、伝説が残せると思いついた時、滅ぼす計画も一緒に立てた。なかなかと迫真の演技だったではないだろうか。壊す気などないのに、あんなことを言えたのだ私は前世、役者だったのかもしれないな。大きい魔法なので魔法陣を書いたが久しぶりで結構疲れた。この魔法に掛け声はない。いるのはただ願いのみ
「どうか、、、各国が更なる発展がありますように」
そして私は発動した。半日を使う大陸の復興。建物、道。作物に動植物に魚。全てを元に戻し、大陸に影響が無い程度に最高の形にする。半日間、魔力を大陸中に廻し続けた。いつしか、体を巡っている魔力も使うようになり、私の魔力は底を尽きた。魔力のそこが尽きたということは死を意味する。そう、私はここで命を落とした。最後くらい、大陸の様子を見たかったと後悔しつつも心は晴れやかだった。やっと行ける。やっと人生終わったよ。やっと君に会えるよ
そう思いながら、我は目を瞑った

目が覚めるとそこは真っ白な世界だった。
「天国、、でいいのかな?」
いや、そもそも私は天国に行けるのかって話だ。時には伝説を残すために自作自演もしたからね。行けるかな?ハハッと自嘲気味に笑うと後ろから扉が開く音がした
「雫様」
後ろを振り返るとそこには翼を生やし、頭に輪っかを持った少女が扉の前で待っていた
「あなたは天使さん?」私の問いに首を縦に降り答えてくれる天使さん
「あなたは天国に行けますよ。自分の目的のために自作自演をなさったのはよくありませんが、最後の大陸を元通り以上にした功績。いいえ。命を欠けた大陸発展が全ての罪を消しました。マイナスとマイナスを足してもマイナスですが、マイナスをプラスが上回ればプラスです。お疲れ様でした」
私の頬に伝う冷たい水。私は直ぐに拭い、「ありがとうございます」と天使さんに頭を下げた。そして前を向いて歩き出す。そして扉をくぐる。扉をくぐるとそこに待っていたのはお花畑だった。だけどその奥には何やら街のようなものが見れる。私は花をかき分け歩き出す。空気が澄んでて全ての罪が洗い流されるようだった。そして私の名前を呼ぶ声ひとつ
「雫」
振り返らなかった。いるとは思ってたけどこんなにも早く会えるなんて思ってなかったから。それは私が生み出した幻聴なんじゃないかと思うと怖かったから。でも体は振り返りたくて、抱きつきたくてうずうずしてる。涙を流したいと言わんばかりに涙が目尻に溜まり出す。そしてそれに追い討ちかける声
「雫、おいで」
「雫、お疲れ様」
その声が言い終わる前に私は振り返り走り出していた。そして私は、、飛びついた。愛しい人のところに。私の居場所に
「私、頑張ったんだよ。私、めちゃくちゃ頑張ったんだよ貴方が居なくなったあとも沢山頑張って、大陸に雫という名を刻んだ。貴方との夢だった国巡り。成し遂げたよ。貴方とやろうと約束したこと全部成し遂げてきたよ。」
「うんお疲れ様。よく頑張ったね」
ぽんぽんとあなたを撫でてくれる。あぁあなたのその大きな手とても落ち着くよ。求めてたよ。いつも撫でてくれたよね。寝る時、家に帰ったあと、魔法を成功させた時、いつもあなたは撫でてくれた。帰ってきた。そう実感して私は愛しい人の腕の中で嗚咽混じりに沢山泣いたその間、愛しい人は私に語り続けてくれた「頑張ったね」とか「残してごめんね」とか「大好きだよ」とか求めてた言葉全部言ってくれた。泣き止んで腕の中から離れた。そして私は問いかける
「私、可愛かった?強かった?あなたの自慢の彼女さんかな?」
私は問いかけたのに彼にされたことはさっきまでは優しく、包むような抱擁とは別の私がいるというのを確かめるような力強い抱擁だった私たちは幽体じゃない。天国だから実体がある。だから抱きしめれる。人の温かみを忘れない。このこともとても幸せだ
「可愛いよ強かったよ。世界一だね。本当に。雫は僕の世界一可愛くて強い彼女さんだよ」
その言葉に私は安堵し体を寄せる
「ねぇ雫、帰ってきたら言う言葉は?」
この人がなんで「おかえり」と言ってくれなかったのかわかった。おかえりは「ただいま」という言葉の返しだから。言えなかったんだね。ずっと言いたかったんだね。それがわかると私は屈託の笑みを浮かべて
「ただいま!!」
そして露も
「おかえり、、待ってたよ」
優しい笑みを浮かべ鼻に唇を落とした。私はそれが気に入らなかったので露の首に腕を回し、唇を合わせた。一瞬のキスだったが、露は耳まで真っ赤になっていた。でも露はすぐさま仕返しをしてきて、お互いに耳まで真っ赤になってしまった。その様子がおかしくて笑い合う。笑いが落ち着いた時、目があった。私たちはお互いを求めるように再び互いの唇に愛情を落とすのであった