「やっほー!新たな国よ!!この国はどんなことにお悩みなのかなー?」
にこにこしながら箒でその国の上を駆け巡る。それを飛んでいる私が珍しいから、みんなが私を見る。聴力を強化すると下から聞こえてくる『あれはもしかして、、雫様か!?』『おぉ雫様!ようやく我が国に!』そんな声が聞こえてくる。そう!私の名前は雫!世界一可愛いて強い、伝説だらけの人間です!最初はある人との願いから始まった旅だけど、今では私の目標であり人生に変わった伝説残しの旅!
箒で駆け巡りながらこの国。ユリラ帝国を見て回るが飢餓や疫病などは無さそうだった。ないのは困るなー全国伝説残しの旅が達成されない、、
「いっその事自作自演しちゃう!?きゃー!面白いわ!」
その自分の案にきゃきゃして空を回転してしまう。
っと、、なんか美味しそうなものを発見。急降下する勢いでちょうどいい(着地しやすそうな)屋根にまっすぐ向かう。
とんっと音を立てて着地してすぐさまそのお店の前に降り立つ。
驚いて腰抜かしているおばさんを視界に入れる。だがそんなこと気にせずに私は注文をする
「おーばさん!このお肉1つ、、いや5つちょーだい!」
「、、し、雫様が降ってきた」
今にも泣きそうだった。なんで泣きそうだったのか分からない。ちなみに私は気になったことは聞く主義!
「おばさん、なんで泣きそうになってるの?」
そしたらおばさんはすぐに起き上がって目を見開いて言った。行動も顔も忙しいねこのおばさん。
「当たり前さ!!ずっと会いたかったんだ!娘を救ってくださりありがとうございます。お礼にお肉5つ無料で渡したいのですがよろしいでしょうか?」
泣きながら言ってきたので困惑しかない。何度かこうゆう事があったが、私は自分の目的を果たしているだけなのでお礼を言われる筋合いは無いと思っている。だからこそ、こうゆう人間と関わりたくない。
「えぇ。無料はありがたいわ。ありがとうね」
すぐに営業スマイルに以降した私は早く終わらせようとした
「ありがとうございます。こちら、お肉5つとなります。またいらしてくださいね」
礼をして律儀に渡された私は少し気分が良くなる。
「えぇ、その時はちゃんと代金払うわ。ではね」
手をひらひらと振り、私は再び空中に戻った
「絶対行かない。あんな信者みたいな人がいる店なんて行かない。」
パクッとお肉を頬張る
「うまっ、、、また行こ」
あの人とは会いたくないが、このお肉はまた食べたい。嫌なんなら常連になりたい。美味しいすぎる
食べながら空中を走っているとこちらに近づいてくる気配がした。私は箒をとめ、そしたらに体を向ける。視界に捉えるその人間はこの国の宮廷魔導士の紋章が胸に付いていた。そしてその人間は私に一言
「至急、王宮への出向きをお願いします」
真剣な眼差しで見てくるその瞳に私は願いを聞き届けないという選択肢は無い。何より、伝説が残せるかもしれない。いずれ、王宮にも出向く予定だったため、手間が省けたというもの。
「えぇ、喜んで」
妖艶な笑みを浮かべ、速度をあげて王宮へと向かい始める。それについてくる王宮魔導士はなかなかの実力者だと見受けられる。
「さぁて!ひと仕事始めますかね!」
その一言と共に、さらに速度をあげた
この帝国で起こることは私史上。最高の伝説を作れると願いながら