急行列車が過ぎた後で


死ぬ気がした。

なぜだか、もうすぐ終わりが来るような気がしたんだ。

別に、病院で余命一年を宣告されたわけじゃない。

交通事故に遭って、視界がスローモーションになり「あ、私…死ぬんだ」と思ったわけでもない。

ましてや、死神が目の前に現れて「お前の魂を頂きに来た」なんて告げたわけでもない。

ただ、それは唐突に訪れた。

学校帰り。近くのショッピングセンターで親友の誕生日プレゼントを買い、

急行が停まらない最寄り駅のホームで、自宅に帰る電車を待っていた時。

私の目の前を、猛スピードで急行列車が通り過ぎた。

その瞬間、胸の奥がひゅっと冷えて、ふと思ったんだ。

「あれ、私、もうすぐ死ぬのかな」

別に死にたいわけじゃない。

もし死にたかったなら、さっき目の前を通り過ぎた列車に飛び込めばよかった。

今、こうしてホームに立っているんだから、やっぱり死にたいわけじゃないんだ。

何かに絶望しているわけでもなかった。

勉強も、アルバイトも、家族も友達も、先輩後輩との関係も、全部うまくいってる。

女子大だから出会いはないし、彼氏もいないけど、それはまあ、今は関係ない。

「あれ、私、もうすぐ死ぬのかな」

自分でも、なんでそんな風に思ったのか、まったく見当がつかなかった。