智花「……こう話してみると、本当に佑が私のこと好きだったか、わからないね……」
智花は肩をすくめて笑った。
佑とはたくさん関わりがあった。小学1年生からクラスはずっと一緒だったし、智花も身長が小さめだったから、背の順などで男女ペアになるときは隣になることが多かった。なぜかくじ引きの席替えでも、隣になることが多かったのだ。
休み時間や放課後に一緒に遊ぶことはあまりなかったけれど。なんとなく、いつも近くにいた気がする。
思い返してみれば、あの時までは、智花は友達として佑のことが好きだった。
智花「あれは確か給食後の休み時間で、私は友達と絵を描いてたの。そこに、佑と男の子たちが近づいてきて……」
佑(過去)『おれ、智花のことが好き!』
智花「……私、その時クラスど真ん中の席でさ、雨が降っていたからクラスのほとんどがいたんだよ……。その中、佑をからかっていた男子の一人がね、始めちゃったんだ。あのコールを」
そこから、クラスのほとんどの人があのコールを始めた。隣のクラスにまで届いてしまうくらい、そのコールは大きくなっていった。
尚人「……知らなかったとは言え、佑には悪いことしたな……」
智花「私もあのコールは本当にトラウマ……。あの時の私には、何が何だかだったし……」
尚人「まあ、小学生にしたら一種の娯楽みたいなもんか。ひどい話だけど……」


