私の心の支えは渚君

ある日俺が出勤すると、見慣れた老人がうちの不動産会社の前に立っていた
老人は俺を見つけて開口一番にこう言った
「お前の事を俺は一生許さない。お前なんて地獄に堕ちればいい」
その老人は俺がこの前担当した石田様だった
石田様は小型のナイフを持って俺に襲い掛かろうとする
でも寸出の所で警備員に抑えられた
お前なんて地獄に堕ちればいい
そう言った石田様の言葉が耳に残って離れない
目眩と共に酷い吐き気を伴って俺はその場で吐いた
石田様は警察に捕まり、連れて行かれた
石田様をあそこまで追い詰めたのは俺だ
俺のせいで石田様は人生を狂わされたのだ
今までどんな悪どい事をしていても、その後の人生の事まで考えていなかった
ただいらないものを有効に活用してやってるのだと。。
俺はもう会社に行けなくなり、退職願を出した
もう自分は人を騙したり、人の人生を狂わせたり、自分だけ幸せになんかなれない
なっちゃいけないのだと、胸に誓った