「なっ……!」

 そのやりとりがあまりにも微笑ましくて、リュミはついに笑いを堪えきれず、机に顔を伏せてクスクスと笑い出した。

「ふたりとも、仲良しさんだね」

「どこが!」

「どこがだ!」

 ぴったり息の合ったふたりの声が響き、リュミの笑いはとうとう止まらなくなる。
 怒ったように頬を膨らませながらも、リンコはふわりと飛んでリュミの頭の上にとまり、こそこそと耳元でささやいた。

「エルドだけど……偏屈なくせに、リュミがいるときだけは表情がやわらかいのよ」

「え、そうかな?」

「そうよ! ……べつに気にしてるわけじゃないけど!」

 確かめるように、リュミはそっとエルドの横顔を見つめる。
 彼は視線に気づいているはずなのに、素知らぬふりで薪を足し続けていた。だが、耳の端がほんのわずかに赤くなっている。

「ほらね」

「そうかなぁ?」

「よく見なさい、耳の端が赤くなってるわ。リュミに見つめられて、照れている証拠よ」

 リンコの声に、リュミの胸がふわりとあたたかくなる。
 こんな、なんでもない会話が、どうしてこんなにも心を満たしていくのだろう。

 そのときだった。