「名前つけていい? 真っ赤だから……えっと、リンコ!」

「リ、リンコ……?」

「うん。太陽みたいに赤いから!」

 鳥は一瞬きょとんとして、少し考えるようにくちばしを動かすと、ぷいっと顔を背けた。

「……べ、べつに気に入ったわけじゃないけど……まあ、呼ぶならそれでいいわ」

 リュミの胸の奥が、じんわりがあたたかくなる。

(……よかった。本当に、よかった)

 やっぱりリンコは、怖い鳥なんかじゃなかったのだ。
 本当はずっと、誰かと仲良くしたかった。それなのに、見た目が怖いからってみんなから忌み嫌われて、誰とも話せなくて――だから。

「よかった。これで、おともだちだね」

 思わずぎゅっと抱きしめると、リンコが「ちょ、ちょっと苦しい!」と羽をばたつかせる。
 パッロがふっと笑って、空を見上げた。

「……まったく。リュミには敵わないな。魔物をこんなふうに扱える人間、見たことがない」

「えへへ……」

 リュミも笑って、リンコを抱えたまま、空を見上げる。