「すごいのはリュミだ。よくやったな」
パッロのまっすぐな言葉に、リュミは小さく頷き、胸を張る。
小さな胸の奥に、達成感と誇りがじわりと染みこんでいく。
誰かに認められる喜び。
それは、リュミにとってなによりも特別で、あたたかいものだ。
「うん!」
声に出して頷いたその瞬間、自分の中に広がっていた感情が、はっきりとした輪郭を持って心に宿る。
これまで感じたことのない、でもたしかに自分のものだとわかる感覚――これは、自信だ。
魔物たちはそんなリュミの変化を感じ取ったのか、さらに穏やかな動きを見せ始めた。
とても自然に、まるで昔からの友達のように、リュミのそばに居座っている。
「こういうことは、これからどんどん増えていくだろう」
パッロがふとつぶやいた言葉は、未来の可能性を感じさせるものだった。
「そうなの? パッロ、見ててくれる?」
「もちろん。リュミが無理しないように、ずっと一緒にいる」
その答えは、疑いようもなくまっすぐで、あたたかくて――リュミの心にしっかり届く。
リュミは安心して、笑みを浮かべた。
ふわふわになった蝶が、軽やかに翅を揺らしながら空に跳ねるように舞い上がる。
その姿はまるで、祝福の舞を踊っているかのようで、リュミは思わず目を細めて見つめた。
足元では、虫の魔物たちが小さく身を寄せ合い、静かにリュミのまわりを囲んでいる。
それはまるで、リュミを守ろうとしているかのようだった。



