「……ふん」

「ど、どうですか?」

 おそるおそる問いかける。
 帰ってきた言葉は、たった一言。

「悪くない」

 それだけなのに、リュミの目が音時に大きく見開かれる。

「えっ……」

「初めてにしては、形も崩れていない。毒草も混じっていないな」

 ぶっきらぼうな声音。
 表情はいつもと変わらず、どこか不機嫌そうにすら見える。

 けれど――リュミには、それがちゃんと伝わった。
 たしかに認めてくれたと、そう感じられた。

 胸の奥からほわっとあたたかいものがあふれ出て、目の奥がじんわりと熱を帯びてくる。

「や、やった……えへへ……」

 自然と顔がほころび、頬がほんのり赤くなる。
 目を伏せると、カゴの中の葉がにじんで見えた。

「……ただ」

「えっ」

「根の切り方が甘いな。力任せに引っこ抜いた跡がある。傷んでいるものが混じっている」

「うぅ……」