その言葉に、リュミは自然と笑顔になった。
 うれしさが込み上げて、カゴをぎゅっと抱きしめる。

 夕暮れが近づくころには、二十本ほどの薬草を見つけられた。

 最初はたったひとつ。それが、今ではこんなにもたくさん。
 量こそ多くはないかもしれないけれど、リュミにとっては、どれも宝物のように大切な収穫だ。

「今日はここまでにしようか」

 パッロが声をかけると、リュミは静かに頷く。

「うん……いっぱいとれた」

「そうだな。最初はひとつだけだったけど、もう二十本だ。立派な収穫だな」

「……えへへ」

 頬を赤く染めながら、リュミは満足げに笑う。
 自分の手で摘んだものが、こんなに誇らしいなんて。
 喜びは胸いっぱいに膨らんで、体の芯まであたたかくしてくれたのだった。