「ほら。笑って、リュミ」

 ムスティが笑い、リスたちが小さな手を振る。
 リュミは涙を拭って、ふっと、本当にうれしそうに笑った。
 仲間たちに包まれて、胸の中のモヤモヤがゆっくりと消えていく。

 やがて、ふわふわたちは祭具庫を離れ、森へと戻っていった。
 パッロはゆっくりと森の道を進む。リュミは彼の背で安心しきった顔をして、小さな声で言った。

「みんな、ありがとう……」

「ああ。リュミ、家へ帰ろうな」

「うんっ!」

 リュミの返事は、今までで一番元気だった。