「ありがとう……みんな、本当にありがとう」

 エルドは、そんな彼らの姿を黙って見守っていた。
 やがて深く息を吐いて、ぽつりとつぶやく。

「ワシたちはおまえの味方だ。たとえ、それが大神殿を敵に回すことになってもな」

 リュミは小さく頷いた。
 春の光が頬を照らし、涙を透かして輝く。

(この森は、リュミが守る。みんなと、ずっといっしょにいたいから)

 風が枝を揺らし、小鳥がさえずる。
 その声はまるで大丈夫とささやいているように、リュミの胸にやさしく響いた。