エルドは森を見渡しながら、静かに続けた。

「けどな、それを抱えながらも芽吹く。そういう場所だ。……おまえみたいにな」

「リュミ……?」

「……あぁ。倒れても、また立ち上がる。そういうやつを森は好きになるんだ」

 そう言って、エルドは不器用に、リュミの頭をぽんとやさしく叩いた。

「だから、これからも迷ったら森に聞け。森はきっと、おまえの味方だ」

 リュミはその言葉を胸に刻み込むように、ゆっくりと頷いた。

「うん。守るね。森も、みんなも」

 風がふわりと吹き抜け、木々の葉を揺らす。
 まるでその誓いを、森がやさしく受け止めてくれたようだった。