そう言って、掴んでいた手を放すと、ほんの少しだけ顔を背ける。
でも、その横顔にはまだ険しさが残っていた。
「リュミ」
「な、なに……?」
「おまえが誰かを助けたいと思う気持ちは、ワシも否定しない。……けどな」
「……」
「助けるためには、生きてなきゃならないんだ。無茶をして倒れたら、元も子もない」
その言葉が、ずしんと胸に響く。
助けたい気持ちばかりが先走って、自分のことを後回しにしていたことに、今さら気づかされる。
俯いたリュミの頭に、大きな手がそっと置かれる。
その手のひらは驚くほどやさしくて、じんわりとあたたかい。
はっとして顔を上げると、エルドがやわらかく笑っていた。
こんな顔、初めて見る。
その笑みはまるで「大丈夫」と言ってくれているようで、胸の奥がじんわりと熱くなる。
「……もう無茶はするな。ワシがそばにいる。だから、ひとりで抱え込むな」
その言葉に、込み上げてくるものを押さえきれなかった。
目頭がじんと熱くなる。
「……うん」
リュミは掠れた声で、でもしっかりと頷いた。
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