“既読をつけなければ、何も起こらない”
何度もそう思ったのに、指先は勝手に文字を打っていた。

「いたよー。やっぱみなもいた?」

すぐに返信が来た。

「うん。彼氏といたから話しかけれんかった。」

あのときを送った、たった1枚の加工された写真。
それを覚えて、みなはメッセージくれた。

一瞬だけ心の奥があったかくなった。
でも、その熱はすぐに冷めた。

「話しかけてくれたらよかったのに笑
まぁ虹心と居たからねー」

「今めっちゃ幸せなんだー」

短いその言葉を最後に私は通知を消した。

もう関わらない。
そう決めたはずなのに、私の心の奥では、また小さな呼び出し音が鳴っていた。