虹心とは付き合って半年。
私立高校には創立記念日があって、その日は平日の休み。虹心も休みを合わせてくれて、久しぶりのデートが叶った。

夕方の駅は、制服を着た高校生たちであふれていた。
そんな中でふと、見覚えのある刺繍が目に止まった。

サッカーのユニフォーム。
袖に縫い込まれた、みなが通う高校の名前。

「あ、みなの高校だ。」

隣で虹心が笑っているのに、私は心のどこかが急に遠くへ引っ張られた気がした。