そうしたら結羅は静かに野々華を下ろすと、立ち上がった。
「私のこと……怖いと思いましたか?」
「……えっ?」
意外な質問に伊織は目を大きく見開いて驚いた。
結羅はチラッと伊織の方を見る。真っ直ぐと彼を見る目線は一切逸らさなかった。
ただ静かに。その結羅の姿にゾクッとした伊織。
「でも、それが私の力です。恐れられる存在……私もあなたと同じです。それでも、私はあなたと一緒に居たいと思っています」
伊織に語りかける。自分を知ってもらうにはダメなところも知ってもらう必要がある。
大切なものを守れば失うこともある。綺麗事ではいられない。
それでも、一緒に居たい。傍に居たいと思ってくれる人が居ることは幸せなことなのだと知ってもらいたい。
彼女の言葉には重みがあった。その言葉に伊織はグッと歯を食いしばる。
「離婚はしないということか?」
「はい」
離婚することは簡単だ。それに契約結婚。いずれは別れの時が来るだろう。
それでも自分から別れを切り出すつもりはなかった。それをしたら、彼が1人ぼっちになってしまうと感じたからだ。
「……勝手にしろ」
伊織は、そう言うと背中を迎えて部屋から出て行ってしまった。
否定はしなかった。嫌だったら彼の言葉から『それでも離婚だ』と、言っただろう。
まだ彼の中で葛藤しているのかもしれない。
そんな結羅達に、黒色の影はゆらりと動いていた。赤色の目を不気味に光らせて『ヒョーヒョー』と鳴いていた。まるで、これからが始まりのように。
「私のこと……怖いと思いましたか?」
「……えっ?」
意外な質問に伊織は目を大きく見開いて驚いた。
結羅はチラッと伊織の方を見る。真っ直ぐと彼を見る目線は一切逸らさなかった。
ただ静かに。その結羅の姿にゾクッとした伊織。
「でも、それが私の力です。恐れられる存在……私もあなたと同じです。それでも、私はあなたと一緒に居たいと思っています」
伊織に語りかける。自分を知ってもらうにはダメなところも知ってもらう必要がある。
大切なものを守れば失うこともある。綺麗事ではいられない。
それでも、一緒に居たい。傍に居たいと思ってくれる人が居ることは幸せなことなのだと知ってもらいたい。
彼女の言葉には重みがあった。その言葉に伊織はグッと歯を食いしばる。
「離婚はしないということか?」
「はい」
離婚することは簡単だ。それに契約結婚。いずれは別れの時が来るだろう。
それでも自分から別れを切り出すつもりはなかった。それをしたら、彼が1人ぼっちになってしまうと感じたからだ。
「……勝手にしろ」
伊織は、そう言うと背中を迎えて部屋から出て行ってしまった。
否定はしなかった。嫌だったら彼の言葉から『それでも離婚だ』と、言っただろう。
まだ彼の中で葛藤しているのかもしれない。
そんな結羅達に、黒色の影はゆらりと動いていた。赤色の目を不気味に光らせて『ヒョーヒョー』と鳴いていた。まるで、これからが始まりのように。



