契約結婚した白虎の姫巫女

「そう。あなたが胸に手を当てて考えてみるの。自分はどうしたいのか。彼と、どう向き合っていきたいのか。そこに答えが見えてくるわ」

 結羅はアドバイスの通りに、自分の胸に手を置いて考えてみた。

(私は……彼と、どうなりたいの?)

 まだ戸惑いはある。人を簡単に攻撃が出来る龍崎家に不安はある。それでも伊織のことが頭から離れられない。
 傍に居て……支えてあげたい。
 彼が心の底で安心が出来るように。
 結羅の心は既に決まっていた。足りなかったのは、それを乗り越えたいと思う勇気。

「……何か分かったような気がしてきたわ。ありがとう……お祖母ちゃん」

 祖母は、それを聞いてニコッと笑ってくれた。
 しかし、その時だった。ピンポーンとインターフォンが鳴った。誰かが来たようだ。
 叔母が代わりに出てくれたのだが。しばらくしたら戻ってきた。

「結羅ちゃん。昔の親友だった、村上野々華(むらかみ ののか)さんって人が見えているのだけど」

 叔母から訪問者な名前を聞いたのだが、その人物に結羅は絶句する。

「……野々華ちゃんが!?」

 まさかと思った。だって、彼女とは小学校のある事件以来、疎遠になっていたからだ。
 結羅は信じられないと、思いながらも急いで玄関に向かった。
 そうしたら、本当に野々華だった。
 もともと背が高かったが、さらに伸びて大人の雰囲気にはなっている。でも幼い頃の面影は残っていた。
 ポニーテールだった髪はショートカットに。少しつり目で大きな目。そしてニコッと笑った顔は昔と変わらない。

「久しぶり~会いたかったわ。結羅」