ーーブーブーブーブー。
いつもスマホはベッドの上で行方不明になりがちだ。
腕を伸ばし頭上を彷徨っていると、音が止まった。
「…るさい」
俺より高くて心地良い声が聞こえて。
一人じゃなかったんだと思い出した。
目を開ける。
うなじが目に入って俺は躊躇わず後ろから腕を回した。
「起きてる?」
「起きてません」
ばっちり声が聞こえて俺は笑った。
「起きてるよね?」
「寝てます」
「絶対起きてる。お願い、こっち向いて」
「嫌です」
キミは頑なにこっちを向こうとしない。
もう色々見せあったというのに。
何を今さらと思う。
初めてだからこっちだってそれなりに恥ずかしかったし、
キミの過去を知ってしまったら迂闊に触れられないし、
手探りで、
いっぱいいっぱいだったというのに。
朝からこんな調子では学校に…。
「あ」
「…」
「片付け今日もやるんだった。俺行かないと」
起きて支度をしなければと思ったとその時。
「待って」
キミが急にこっちを向いてきたから、
心臓が止まった。
息が出来なくてしばらく動けずにいたら、キミの小さな手のひらが俺の頬に伸びてきた。
「…何?」
やっとのことで言葉を絞り出してもキミは答えてくれない。
手のかかる子猫だなぁと思いつつも、
俺はキミが愛しくて仕方がなくて。
「キスしていい?」
返事がないのはそういうことかと思って
そう、した。
唇と、
首に。
お互いの心臓が持つ範囲の
長さで。
「早く終わらせて帰ってくるから、ここで待ってて。帰ったら今日こそ一緒にバイト行かなきゃ」
キミがうんと頷くのを合図に俺は動き出した。
俺とキミの物語も
ようやく動き出した。
いつもスマホはベッドの上で行方不明になりがちだ。
腕を伸ばし頭上を彷徨っていると、音が止まった。
「…るさい」
俺より高くて心地良い声が聞こえて。
一人じゃなかったんだと思い出した。
目を開ける。
うなじが目に入って俺は躊躇わず後ろから腕を回した。
「起きてる?」
「起きてません」
ばっちり声が聞こえて俺は笑った。
「起きてるよね?」
「寝てます」
「絶対起きてる。お願い、こっち向いて」
「嫌です」
キミは頑なにこっちを向こうとしない。
もう色々見せあったというのに。
何を今さらと思う。
初めてだからこっちだってそれなりに恥ずかしかったし、
キミの過去を知ってしまったら迂闊に触れられないし、
手探りで、
いっぱいいっぱいだったというのに。
朝からこんな調子では学校に…。
「あ」
「…」
「片付け今日もやるんだった。俺行かないと」
起きて支度をしなければと思ったとその時。
「待って」
キミが急にこっちを向いてきたから、
心臓が止まった。
息が出来なくてしばらく動けずにいたら、キミの小さな手のひらが俺の頬に伸びてきた。
「…何?」
やっとのことで言葉を絞り出してもキミは答えてくれない。
手のかかる子猫だなぁと思いつつも、
俺はキミが愛しくて仕方がなくて。
「キスしていい?」
返事がないのはそういうことかと思って
そう、した。
唇と、
首に。
お互いの心臓が持つ範囲の
長さで。
「早く終わらせて帰ってくるから、ここで待ってて。帰ったら今日こそ一緒にバイト行かなきゃ」
キミがうんと頷くのを合図に俺は動き出した。
俺とキミの物語も
ようやく動き出した。



