√スターダストtoらぶ

「そういや、辻堂くんとはどうなった?最近らぶの口から名前出て来なくなったけど」

「え?あ、いや、その…」

「ん?もしやもしや、愁真先輩のことで頭がいっぱいで辻堂くんのことは綺麗さっぱり…」

「違う!」


びっくりした…。

今自分でも驚くくらい大きな声が出てしまった。

絵那がちょっと引き気味でこちらの様子を伺う。


「違うから。辻堂くんとは仲良くしてる。話してると穏やかな気持ちになる。だからそれがすっかり当たり前になってて、なんていうか…空気みたいなんだよ。当たり前だけど無くてはならない大事なものっていうか。…うん、そう。そんな感じ」

「でもその関係に恋愛感情はないよね?キュンとかないよね?好きーってならないよね?」

「…」


何も言えない。

朝雪くんへの気持ちにははっきりとした輪郭がなくていつもボヤけてるからわたしでも分からないんだ。

一緒にいて気が楽で、本当に楽しい。

それは嘘じゃない。

わたしはこういう優しくて穏やかで誠実な人に巡り合うために今までクズ道を歩まざるを得なかったんだなんて思ったこともある。

まさに理想の人。

幼い頃から思い描いていたわたしの王子様像にぴったり一致する。

だから、好きになる。

必ず好きになれる。

そう思っていたのに、

違ってたのかな?


「まぁ、それもこれもらぶの気持ち次第だからあたしに言えたことでもないんだけどね。でも親友としてこれだけは言っておく。迷ったらそれは正解の道じゃない。迷ったら逆のルートを行った方がいい。たとえそれが回り道でも遠回りでも必ず明るいところに出る。ほら、ゲームやっててもそうじゃん。回り道してた方が育成出来るし、キャラの知らなかった一面を見られて得することがあるでしょ?現実と多少の違いはあれど、似たようなもんだよ。だって現実を生きてる人間がストーリーを作ってるんだから。わたしたちだって人生ってやつ毎日クリアしてるんだから。…って、あたしこの世の真理みたいなこと言った?うひゃーー!何、あたし?!天才っ?!」

「かもね」


確かに絵那のいうことは一面の真理かもしれない。

我が親友ながらなかなか哲学的なことを言ったものだと感心する。

兎にも角にもわたしも毎日人生をやるしかない。

どう転ぼうと間違いはないから。

転び方ならいくらでも知ってる。

人よりたくさん知ってる。

だから起き上がれる。

立ち上がって歩いていった先に誰が待っててくれるんだろう。

…楽しんでみようかな。

自分の人生も。

ゲームみたいなもんだと思って。