わたしは無意識に首を真横に振っていた。
とめどなく溢れる涙を両手で拭う。
愁真さんを拒絶することは自分を嫌うことと同じ。
だって、似てるから。
わたしたち、似てるんだ。
だから、否定出来ない。
出来ないんだよ。
なら、どうすれば…。
このままこうしていても、
何も出来ない。
何も起こらない。
何も起こせない。
「約束したから」
愁真さんはやっぱり守ろうとしてくれてる。
わたしを傷つけないために。
わたしの傷口をこれ以上開かせないために。
すべきことは分かってる。
ここで首を縦に振れば終わる。
すぐにでも帰れる。
あとは全て尚悟さんに任せて帰ればいい。
分かってる、のに。
わたしは…動けない。
正解に抗ってしまう。
「…どこまでならいい?」
「え?」
わたしがぽかんとしていると、ふっと笑って話しかけてくる。
「俺の手で涙を拭ってもいい?」
わたしは頷いた。
わたしより何倍も大きな手が頬に触れて幾重にも重なる涙の川をなぞっていく。
次第に呼吸が落ち着いてきて川は蒸発して消えた。
「頭撫でてもいい?」
また頷く。
頭に乗った手のひらがあったかくて落ち着く。
「じゃあ次は…抱きしめてもいい?苦しくない程度に」
「はい…」
わたしは少し前のめりになってそのまま彼の腕の中に堕ちていった。
ドクドクと心臓の音が聞こえる。
こんな風にされるのが一番嫌だったのに、
なぜだろう、嫌じゃない。
むしろ安心する。
心の奥深くでトライアングルのような優しい音が共鳴している気がする。
「このくらいにしよう。風邪うつっちゃう」
体温が離れていって、
温められた身体も心も冷えていく。
熱帯夜だからその方が心地いいはずなのに。
この寂しさは…なんだろう。
「…最後に確認させて」
目が合う。
最初に見た時に思った。
宝石みたいって。
今もまた思ってる。
こんな綺麗な瞳の人が、
悪い人なわけない。
やまりんの言う通りだったかもしれない。
星屑…スターダストだ。
「バイト続けてもいい?」
「…はい。約束を破らなければ」
「分かった。じゃあ…」
目の前に小指が差し出される。
原始的すぎだよ。
「指切りしよう」
「…分かりました」
わたしは長くて綺麗だなって思った小指に自分の指を絡めた。
「OK。じゃあ、玄関までだけど送るよ」
とめどなく溢れる涙を両手で拭う。
愁真さんを拒絶することは自分を嫌うことと同じ。
だって、似てるから。
わたしたち、似てるんだ。
だから、否定出来ない。
出来ないんだよ。
なら、どうすれば…。
このままこうしていても、
何も出来ない。
何も起こらない。
何も起こせない。
「約束したから」
愁真さんはやっぱり守ろうとしてくれてる。
わたしを傷つけないために。
わたしの傷口をこれ以上開かせないために。
すべきことは分かってる。
ここで首を縦に振れば終わる。
すぐにでも帰れる。
あとは全て尚悟さんに任せて帰ればいい。
分かってる、のに。
わたしは…動けない。
正解に抗ってしまう。
「…どこまでならいい?」
「え?」
わたしがぽかんとしていると、ふっと笑って話しかけてくる。
「俺の手で涙を拭ってもいい?」
わたしは頷いた。
わたしより何倍も大きな手が頬に触れて幾重にも重なる涙の川をなぞっていく。
次第に呼吸が落ち着いてきて川は蒸発して消えた。
「頭撫でてもいい?」
また頷く。
頭に乗った手のひらがあったかくて落ち着く。
「じゃあ次は…抱きしめてもいい?苦しくない程度に」
「はい…」
わたしは少し前のめりになってそのまま彼の腕の中に堕ちていった。
ドクドクと心臓の音が聞こえる。
こんな風にされるのが一番嫌だったのに、
なぜだろう、嫌じゃない。
むしろ安心する。
心の奥深くでトライアングルのような優しい音が共鳴している気がする。
「このくらいにしよう。風邪うつっちゃう」
体温が離れていって、
温められた身体も心も冷えていく。
熱帯夜だからその方が心地いいはずなのに。
この寂しさは…なんだろう。
「…最後に確認させて」
目が合う。
最初に見た時に思った。
宝石みたいって。
今もまた思ってる。
こんな綺麗な瞳の人が、
悪い人なわけない。
やまりんの言う通りだったかもしれない。
星屑…スターダストだ。
「バイト続けてもいい?」
「…はい。約束を破らなければ」
「分かった。じゃあ…」
目の前に小指が差し出される。
原始的すぎだよ。
「指切りしよう」
「…分かりました」
わたしは長くて綺麗だなって思った小指に自分の指を絡めた。
「OK。じゃあ、玄関までだけど送るよ」



