√スターダストtoらぶ

「高橋さん」


背後から声が聞こえてわたしは咄嗟に顔を手で覆った。

なんでいるの?

着いて来ないでよ…。

思っていても言葉にする気力もなく、

ただ時に身を任せる。


「なんか、ごめん。やっぱりそうなるよな」

「…」


何も言えない。

だって愁真さんが悪いわけじゃないから。

たまたまわたしの推しを担当しただけ。

やまりんが懐いてるんだから、悪い人じゃない。

そう、何度だって思っても、

納得しようって考えたって、

結論づけたって、

結果はいつでも空回りして、

反対側に着地してしまうんだ。


「1回だけ」


残暑で生ぬるい嫌な感じの風が吹く。

その合間をぬって愁真さんの声がわたしの耳に届く。


「1回でいい。俺にガチャやらせて欲しい」

「え?」


わたしが顔を上げると、愁真さんがしゃがみ込んで目の前にいた。

…なんで?

なんでそんな顔してるの?

…ズルい。

そんな寂しそうな顔したって、

何も出来ない。

してあげられない。

それなのに、

そんな顔しないでほしい。

…1回。

たった1回で何か変わるのなら、

やらせてみるのもあり、か。

この人が抱えてしまったものを少しでも軽く出来るなら。

お互いに悪いことをし合っているのなら、

痛み分けで、

そういうことで。

そう、納得させて。

わたしは視線をぶつけた。


「ガチャ1回につきダイヤ何個必要か分かりますか?」

「えっと、確か…20」

「ハズレです。正解は30個です」

「りんに教えてもらったはずなのに忘れてた」


忘れてたのは興味がないからですよね?

なんて嫌みは言うだけ時間の無駄だし、火に油を注ぐだけだからやめた。


「無課金勢にはストーリーを読んでダイヤを貯めるという策があります。それをして30個無事に貯められたらやってもいいです」

「はは。ダブルミッションてことね。分かった。やってみるよ」