√スターダストtoらぶ

なんて今さら思い出してもしょうもないクズに思いを馳せてしまっていたら見知らぬところに辿り着いてしまっていた。

並んで歩いていたはずの彼もいない。


「辻堂くーん!」


人混みの中名前を呼んでもやはり返事はない。

ぼんやりしてるからはぐれるんだ…。

あぁ、自業自得…。

バカだな、わたし…。

あ、でも、このまま人の流れに乗っていけば河川敷に辿り着けるかも。

どうせみんな花火を見に来たんだろうし。

なんて安置なことを考え、いろんな人とすれ違いぶつかりながら進んで行くと屋台の方に戻って来た。

ってことはみんながいるのはあっちか。

とりあえず絵那とやまりんのところに戻ろう。

ようやく光が見えた、その時だった。


「あっれー?お姉さん1人?」


…う。

さ、最悪。

こんなところで油売ってる場合じゃないっていうのに、こういうところには必ずといっていいほど居るチンピラに声をかけられてしまった。

ざっと見20代前半。

ひょろっとしているが背が高く力は強そう。

こんなのに手を出されたら…逃げられない。


「え?無視?」


もう、しつこいなぁ…。

わたしは関わりたくないんだってば。

でも無言を貫いてもこのまま付き纏われるだけだからちゃんと応えないと。

震える右手を左手で抑えながら話し出す。


「いえ、友人と来ました。わたしこれから合流するので失礼します」


回れ右をしたらがっしりと腕を掴まれた。


「離してくださいっ!」


大声で叫んでも誰も気づいてくれない。

みんな前を向いて歩いていく。

花火の見える方へとひたすらに足を動かしてる。


「離すわけないじゃんこんな可愛い子。今夜は良いご馳走が手に入ったなー。ほんと…うまそ」


…きもい。

あぁ、もう…

こんな時になんで思い出しちゃうんだろう。

1番目のアイツの顔が脳裏に浮かぶ。

部屋に監禁されて
 
目隠しされて

抵抗しても遮られて

後ろから抱かれて

倒されて

舐められて…。


「たす、けて…」

「へ?何?ほら、行くよ」


行きたくない。

あんな目に遭いたくない。

お願い、助けて。

気づいてよ。

わたし…嫌だよ。

もうこれ以上傷つきたくないよ。

だから、

だから、お願い。

助けて。

わたし、ここにいる。

ここにいるから、

気づいてよ…。

絵那、

やまりん、

辻堂くん…。

もう誰でもいい。

お願い…。

じゃないと、

わたし、

わたし…。