「昨日、教室でさ」
「そっか…残念だったね」
「でも、なんか目覚めたよ」
「目が覚めた?」
「恋愛なんてもういいかなーって」
「そんなこと言わないでよー」
でもそうなんだ。
きっと裏切られるんだ。
そう思ってしまった。
放課後、なんとなく1人で帰っていて、土手の原っぱで横になる。秋のそよ風が心地いい。
「横、いい?」
急になんとなく見覚えのある顔が来る。
「いいけど…」
「良かった…」
特に話したこともない、だけど何故か居心地は悪くない。
同じクラスの、詩くん。桃井詩くん。
「話すの、ほぼ初めてかも?急に隣とか来てごめん」
「いや、ううん」
「今がチャンスかなって。昨日、振られてたから」
「え?」
「僕、妃音ちゃんが好き」
急な告白に、逆に驚くこともなかった。
どこか他人事のような気がした。
「…私、誰とも付き合う気なくて」
「え、そうなの?」
「疲れちゃった。恋愛」
「好きにさせてみせる、ってのもダメ?」



