「妃音、別れよ」
「え?」
「妃音重いし、疲れる。なんか萎えたわ」
一瞬にして冷える、教室の空気。
朔くんの声が空気を切り裂いていった。
急な別れだった。
「分かった、帰る」
私は子どもみたいに不貞腐れて、鞄を持って帰る。
翌日、朔くん、もとい元カレは、他の女の肩に腕を回して、楽しそうに話していた。
前からそうだった。
私から告白してからそう。
3ヶ月前、朔くんに勇気を振り絞って告白した。
顔が良くて、性格だっていいと思ってた。
だけどその時は、私はいいところしか目に入ってなかったようだ。
女好きで、私という彼女がいながらも、平気で女子と2人で出かけたり、今みたいに女子にスキンシップしたり、していた。
私から別れを告げるべきだった。
朔くんからすれば、私は重い邪魔くさい存在だったんだろう。
もう恋愛は懲り懲りだ。
嫌い、嫌い。
嫌いだ何もかも。
そんな朔くんだって大好きだったのに…。
「なに泣きそうな顔してんの、妃音?」
「志穂…」
「ん?」
「朔くんに振られた…」
「え、嘘っ」
志穂は、口に手を当てて、可愛らしい仕草をする。生まれ持った可愛い顔で、とても画になる。



