「今日も推しが尊すぎる!」
ボフッと音を立ててベッドに飛び込む私。
思いっきり身体を伸ばした後、通知音が鳴った。まよわずスマホを開く。
『今回も最高でした!ありがとうございます!』
『夢月さんの作品の彼ら、めちゃくちゃ生き生きしてる!』
『推しにここまで尽くされたら、もう幸せで昇天しそう……!』
『初コメ失礼します。私はこのグループを知らなかったのですが、夢月さんの作品を見て、見てみたいと思うようになりました。』
昨日投稿したばかりの最新話のチャプターのコメント欄は、そうした言葉であふれかえっている。
私、月詠夢。夢小説を心から愛し、夢月という名前で夢小説家として活動している、高校一年生!
今はもっぱら、推しであるアイドルの〈si x night〉のヤンデレ夢小説を書いております!
もっとも、これはあくまでも妄想の域だし、ご本人様や夢小説にいい顔をしないほかのファンの人もいるから、その人たちに迷惑がかからないよう、何より推しがあらぬ噂をたてられて傷つかないように全力で配慮して、私の小説を見てくれているフォロワーさんにも呼び掛けてはいるんですけどね。
「コメントもらえて本当にうれしいな~!」
張り切って続きを書こう!
そう思って続きのチャプターを開こうとした瞬間。
「うわ時間切れじゃん。」
画面が勝手に切り替わり
『時間切れです。』
の文字が出てきた。それからはどこも押せなくなるのだ。
私みたいな夢女子にとってスマホは小説を書くのに手放せないもの。
なのにスマホの使用時間たった3時間は厳しすぎるって。
「しかたない。パソコンを使うか。」
と思ってパソコンの入っている棚を見たが、鍵がかけられていた。
「くっ、じゃあタブレットは……」
自分の端末のパスワードを入力する。
しかし、どれだけ打ち込んでも開かない。
「お母さ~ん!タブレット開けないんですけど。」
思わず下に降りると、いきなりタブレットを取られた。
「ちょっと、何するの!?返してよ!」
「何を言っているの?もうテスト期間でしょ?開けなくするためにパソコンは封印して鍵も隠したしタブレットのパスワードも変えておいた。タブレットも没収。」
そういえばタブレットを買ってもらうための条件として、お父さんとお母さんにパスワードを教えておかなくてはならないというものがあった。
つまりお父さんとお母さんは私の知らない所で私の端末を自由自在に動かせるということである。
完全に裏目に出てしまった。
「でも安心して。テスト期間が終わったらタブレット自体は返すし、全教科80点以上取れたら勝手に変えた分のパスワードだって教えてあげるから。」
「うっ……」
確かにあと一週間でテスト。
本当だったら夢小説なんぞやっている場合じゃないということはよくわかる。
でも!
わかっているけれどやりたくなるものってあるよねって話!
それに数学がしんどすぎるんだって!
80点なんて無理よ高校数学で!
二次関数とかsin、cos、tanなんていつ使うのよって話!
最悪足し算と引き算と掛け算と割り算ができればそれでいいじゃん!
なんてぼやいてみるが、結果は変わらない。
どのみち、もうさすがの私にも使える端末はない。
しかたない。大人しく勉強しておくことにしよう。
そう思い、自分の部屋に戻った。
ボフッと音を立ててベッドに飛び込む私。
思いっきり身体を伸ばした後、通知音が鳴った。まよわずスマホを開く。
『今回も最高でした!ありがとうございます!』
『夢月さんの作品の彼ら、めちゃくちゃ生き生きしてる!』
『推しにここまで尽くされたら、もう幸せで昇天しそう……!』
『初コメ失礼します。私はこのグループを知らなかったのですが、夢月さんの作品を見て、見てみたいと思うようになりました。』
昨日投稿したばかりの最新話のチャプターのコメント欄は、そうした言葉であふれかえっている。
私、月詠夢。夢小説を心から愛し、夢月という名前で夢小説家として活動している、高校一年生!
今はもっぱら、推しであるアイドルの〈si x night〉のヤンデレ夢小説を書いております!
もっとも、これはあくまでも妄想の域だし、ご本人様や夢小説にいい顔をしないほかのファンの人もいるから、その人たちに迷惑がかからないよう、何より推しがあらぬ噂をたてられて傷つかないように全力で配慮して、私の小説を見てくれているフォロワーさんにも呼び掛けてはいるんですけどね。
「コメントもらえて本当にうれしいな~!」
張り切って続きを書こう!
そう思って続きのチャプターを開こうとした瞬間。
「うわ時間切れじゃん。」
画面が勝手に切り替わり
『時間切れです。』
の文字が出てきた。それからはどこも押せなくなるのだ。
私みたいな夢女子にとってスマホは小説を書くのに手放せないもの。
なのにスマホの使用時間たった3時間は厳しすぎるって。
「しかたない。パソコンを使うか。」
と思ってパソコンの入っている棚を見たが、鍵がかけられていた。
「くっ、じゃあタブレットは……」
自分の端末のパスワードを入力する。
しかし、どれだけ打ち込んでも開かない。
「お母さ~ん!タブレット開けないんですけど。」
思わず下に降りると、いきなりタブレットを取られた。
「ちょっと、何するの!?返してよ!」
「何を言っているの?もうテスト期間でしょ?開けなくするためにパソコンは封印して鍵も隠したしタブレットのパスワードも変えておいた。タブレットも没収。」
そういえばタブレットを買ってもらうための条件として、お父さんとお母さんにパスワードを教えておかなくてはならないというものがあった。
つまりお父さんとお母さんは私の知らない所で私の端末を自由自在に動かせるということである。
完全に裏目に出てしまった。
「でも安心して。テスト期間が終わったらタブレット自体は返すし、全教科80点以上取れたら勝手に変えた分のパスワードだって教えてあげるから。」
「うっ……」
確かにあと一週間でテスト。
本当だったら夢小説なんぞやっている場合じゃないということはよくわかる。
でも!
わかっているけれどやりたくなるものってあるよねって話!
それに数学がしんどすぎるんだって!
80点なんて無理よ高校数学で!
二次関数とかsin、cos、tanなんていつ使うのよって話!
最悪足し算と引き算と掛け算と割り算ができればそれでいいじゃん!
なんてぼやいてみるが、結果は変わらない。
どのみち、もうさすがの私にも使える端末はない。
しかたない。大人しく勉強しておくことにしよう。
そう思い、自分の部屋に戻った。

