Capture your memories of one summer ~ひと夏、思い出を切り取って~


「あっつ…」

外に出るとほぼ同時に、むわっとした熱気に包まれる。私の首筋にはじんわり汗が(にじ)んだ。

「暑いなら、水をかけよう、ホトトギス」

「やめようね、水をかけるの、ホトトギス」

柚音がふざけたように変な俳句を作っているので、私もその口調で柚音に返事した。

「今は戦国時代じゃないだろ」

遥樹くんが至って真面目に突っ込んで、思わず笑ってしまった。

「歴史苦手だけど戦国時代だけは覚えてる!」

柚音が自慢げにそういうと、「そんな誇ることじゃないだろ」と遥樹くんが苦笑する。

3人で談笑していると、いつの間にかプールにたどり着いていたらしい。

先生がプールの鍵を開けてくれ、私たちはまた未踏の地に1歩足を踏み入れた。