「いってきまーす。澄羽、ちゃんと勉強しなよ?」
母親がドアノブに手をかけながらくぎを刺すように言い放つ。
「勉強します―。ばいばーい」
ドアのかぎがかけられたのを確認して、私は2階の部屋に駆けあがった。
薄い緑色のパジャマ姿に寝ぐせだらけの私が姿見に映る。
とりあえず白いノースリーブワンピースに着替えて、寝ぐせだらけのぼさぼさの髪は洗面台で直すことにして階段をどたどた駆け下りる。
水道で髪を水で濡らして、軽く水気を絞ってからドライヤーの熱風を頭の上からかける。
ドライヤーの熱風を受けた首筋に汗がじんわり滲む。
スイッチを切り、引き出しに入っている母親のくしを勝手にパクって髪を整える。
髪だけきれいに整った部屋着姿の私が三面鏡に映った。



