7月26日、火曜日、6時35分。
目覚まし時計から流れる、アラームにふさわしいとは言い難い『星に願いを』で目を覚ますのは私のお決まりの朝のルーティーンである。
寝ぼけ眼でタオルケットを蹴飛ばして、ベッドの上で思い切り足を振り上げてその反動を使って起き上がる。
エアコンの停止ボタンを押して窓を開けると、湿気を孕んだ空気が一気に部屋に入り込んできた。
その空気を逃がすように部屋の出入り口である白い扉を開けて、そのまま階段を駆け下りる。
「いった…」
寝ぼけているときはよく階段で足を滑らせて尻餅をついてしまう。
手すりを持って立ち上がり、階段を駆け下りて1階に降りる。
母親がカフェオレを作る手を止めてこちらに向く。
「澄羽おはよう。」
「おはよー。今日のご飯何?」
朝のテレビニュースの天気予報では、どうやら今日は晴れらしい。
「ホットケーキ。もう焼けてるから早く座って」
母親と私がダイニングテーブルで向かい合うように座って、手を合わせる。
「「いただきまーす」」
バターナイフで切り分けたバターをべったりとホットケーキに塗ったくって、メープルシロップをたっぷりかける。
何か所かから、ホットケーキからメープルシロップが垂れたけど、気にせずフォークとナイフで切り分けたホットケーキを口に運んだ。



