Capture your memories of one summer ~ひと夏、思い出を切り取って~

                   
カップ焼きそばを完食した私は2階の自室に上がって、クローゼットを開いた。

部屋着にしている長い丈の白いノースリーブワンピースに着替えて、ワンピースの下敷きになってしまった髪をどかす。

柚音は今頃部活かな…

ベッドのサイドテーブルに置かれていたスマホを手に取って時刻を確認する。

『7月23日月曜日 13:27』

壁紙に設定している、ピンクと淡青(たんせい)、淡い紫色の幻想的な空と海の写真は何度見てもほれぼれしてしまう。

ちなみにこの写真は去年の夏の風景画ぼっちツアーで撮影した写真をスマホに転送したものである。

「んー…」

謎のつぶやきを漏らして、スマホを両手で握ったままベッドに横になる。

意味もなく画面と数秒(にら)めっこをしても、スマホはうんともすんとも言わない。

開け放した部屋の窓からぬるい夏の風が部屋に入り込んで、私の髪をふわりと撫でた。

その心地よさに浸りながら、私はいつの間にか眠ってしまっていた。