「「「いただきまーす」」」

私は割り箸を割って、たこ焼きを口に運んだ。

ソースとマヨネーズの味が口の中を支配する。

「誰が2つ食べる?」

たこ焼きを頬張って、リスのようにほっぺを膨らませている柚音が箸をおいて私と遥樹くんの顔を見る。

「私2つ食べるね。」

私はたこ焼きを飲み込み、もう一つたこ焼きを口に含んだ。

「はーい」

熱いたこ焼きを飲み込むと、のどが熱くなった。

私は急いで水を口に含んだ。

「遥樹、200円返しとくね。」

「ありがと。」

柚音が差し出した200円を遥樹くんが受け取り、財布に入れた。

「結城は後で返して。」

こくりとうなずきながら水を飲み込むと、のどが楽になった。

「この後どうする?ここにずっと居座っとくわけにもいかないし」

遥樹くんが水の入った紙コップを置いて頬杖をつく。

「プリクラとかとる?それかクレープ食べる?」

柚音が楽しげに提案する。

「3人でおそろいのキーホルダーとか買ってもいいよねー。澄羽っち、どーする?」

「プリクラ行きたいな。」

話題を振られたのでサラッと返事しておいた。

「まさか俺も行くの?」

遥樹くんが冷めた目でこちらを見ている。

「あったりまえでしょー、遥樹も行かないと何のために遊んだのかわかんないよ?」

「そもそも俺入れるの?JKに冷たい目で見られそうだけど」

不愛想に見えるのにJKの心配をしている遥樹くんがなんだかおもしろくて、不覚にも笑みがこぼれた。

「女子いれば大丈夫だって。とりあえず行こ?」

たこ焼きを食べ終わった2人が立ち上がったので、私はトレイを返却口に持って行った。