Capture your memories of one summer ~ひと夏、思い出を切り取って~

                 
私があらかじめとっておいた席に着いて、遥樹くんが持ってきたたこ焼きのトレイをテーブルに置く。

「水取ってくるねー、柚音カバン見といて」

私は財布をショルダーバッグに押し込んで水を取りに行くことにした。

「結城、俺も行く。」

「いいって、私1人でできるよ」

「人間の腕2本なのに3つ持てんのか?」

遥樹くんがむすっとした表情でわたしを上から見てくる。

「2回水取りに行けばいいだけでしょ」

「結城は危なっかしいから俺も行く」

失礼極まりないことを言われたので私は彼をほったらかして、水を取りに行くことにした。

「ぎゃ、ついてこないで」

ほったらかしたはずなのに後ろをついてくる。

「俺は不審者じゃない。ストーカー呼ばわりすんなよ」

私は遥樹くんを無視してそのまま紙コップを出すボタンを1回押した。

そのまま給水機の銀色のレバーを押そうとしたが、水が出てこない。

もう一度強く押すと、Tシャツに水が跳ねたが何とか水が出てきた。

この調子で3つ水を汲み、1つを遥樹くんに手渡す。

「2個持つから。」

そう言って遥樹くんは私のコップを奪おうとしたが、私は先に彼に背を向けて席に戻った。