二田先生は青空のような笑顔を私に向けるのをやめず、
「日奈、これから放課後先生と用事ない時しゃべろっか。」
優しく手を差し伸べす君を見て私は心がキュッと痛くなる。
この気持ちが『恋』というのか。
その手を取る。
「いじめの内容は言わないでもいい。辛いだろうから。」
「だけど、その代わりになんでもいいから先生、日奈と喋りたいな。いいかな?」
「…はい、……………ありがと…ございます………」
私は寂しかったんだ。
本音を言える人が今までいなくて。
自分をさらけ出すのが怖くて。
涙で視界が滲む。
今まで人前で泣いたことなんてプライドが許さなくてできなかったのに。
「う…ぅ、………」
ポロポロと落ちる涙。
涙は体操服に滲む。
それを切なそうな表情で見る先生。
「日奈………大丈夫だからな。先生がいるから。」
そう言う先生は
服は青空のような青い蛍光色の服。
浅黒い肌。
白い歯。
オールバックにしたのを7、3分けにした真っ黒な髪。
黒いのに青空が写って蒼く光る瞳。
君のことちゃんと見てなかった。
こんな君がかっこいい人間か。
君のことちゃんと視ていなかった。
こんな君が青空のように私を照らしてくれる存在か。
私は伸びた髪をかきはらい、言う。
「先生、ありがとう。」
