すき、という名前の花

その言葉はどこか詩のようで、すぐには意味がつかめなかった。
けれど、古川の声があまりにもやさしくて、Bはただ静かに頷いた。

Aはふたたびスマートフォンを掲げる。

そこに表示されたのは——「🙂‍↕️」

Bと古川は顔を見合わせ、思わず笑みをこぼした。

その笑顔が、言葉よりもずっとやわらかく、あたたかかった。

——この出会いが、静かに始まろうとしている
そんな予感だけが、店内にやさしく広がっていた。