すき、という名前の花

Aは、何も言わずにじっとその花びらを見つめていた。
口も、目元も動かない。だけど、その胸の奥のほうに、
何かが、そっとたまっていく気がした。

やがて、Aはそっと手をひらく。

花びらは、再び宙をふわふわと舞い、地面へとゆっくり落ちていった。