大学4年生になる春、彼は突然『夜景見に行かない?』誘ってきた。急にどうしたの?家の前まで迎えに行くからさ!うん。彼はアイレンという綺麗な花の花束を持って迎えに来てくれた。そして、キレイな夜景を見ながら彼は『別れよ、』えっ、どうしたの?ちょっとやりたい事ができた。大学もやめようと思ってる。でも?!『帰ろっか』私の声をさえぎり彼は車のほうへ歩き始めた。帰りの車内で私たちは一言もかわさなかった。私の家の前についた、『じゃあね』そのじゃあねの一言で私は玄関の前で泣き崩れた。彼はそんな私を横目に車を走らせ、行ってしまった。前だったら寄り添ってくれたのに。次の日から彼は大学に来なかった。卒論、卒業試験、就職活動、私はそんな日々の忙しさに気を紛らし彼のことは考えないようにしていた。そして、社会人1年目になる春。一通の手紙が届いた。彼の弟からだ。『突然のお手紙、失礼します。兄からこの時期になったら送ってほしいと言われていたので、送らさせて頂きました。』封筒をの中を見るともう一枚入っていた。『ゆな、元気にしてる?就職は決まった?あの時は何も言わずに突然別れよ?なんてごめん。実は余命宣告受けちゃってさ、この手紙読んでるってことはほんとに死んじまったんだな、俺!まぁさ、俺の分まで元気に生きてくれよ!じゃあね』あの時のじゃあねが聞こえた、それと同時に私は、また泣き崩れた。