……は?

あざ笑うように、私を思いっきり見下しながら言葉を発してきた彼。

……いくらなんでも失礼すぎるでしょ。

けっこう頭にきた私は──。


「あんたねえ、『どんくさい』ってなによ。ん?考えてみなさいよ。ぶつかってきたのはそっちよね?1ミリでも自分が悪いとは思わないのかしら?この歳にもなって、全く恥ずかしい……そんなことも分からないだなんて」


顔が整ってるからって、なんでも許されると思ってるわけ?

私の発言に、呆気にとられている彼。

その顔は、マヌケにもぽかんと口が空いてしまっている。

ふん、いい気味だわ。スッキリした。

彼の周りにいた友達と思わしき人たちも、私の言葉に驚いている様子。


「ねえ、何か揉め事かな?」

「ていうか、あの男の子たち、すっごいイケメンじゃない!?」


私たちの周りはザワついていた。


「ちょ、ちょっとツム……!」


異変に気づいたのか、私のところへ駆けつけてきてくれた茉音。


「ど、どうかしたの?」

「う、ううん。なんでもない」


キレたままの顔がバレないように、笑顔を無理やりつくる。

でも、キレてるのがバレたのか汗を流してあわあわする茉音。


「ほ、本当に?でも、血管が浮きでてるような……」

「そんなことより!早くクラス表見に行こ?」


茉音の言葉をさえぎって誘う。


「そ、そうだね!行こうか!」

「うん」


2人で立って歩き出そうとしたとき──。