「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい」
家のドアをガチャっと開けて外へ出る。
地面をふむ足が軽い。
そのまま向かう先は──。
『私立星彩学園(しりつせいさいがくえん)』!
私、藤崎 紬(ふじさき つむじ)は、今日から中学一年生です!
憧れだった星彩に入るため、苦手な勉強を必死に頑張って、なんと入学することが出来たんだ!
私が苦手なことをしてまで星彩に入りたかった理由。
それは……。
ただの勘!
友だちと休日に遊んでるとき、たまたま通りかかった星彩学園には、私を惹きつけるオーラがあった。
運命を感じたんだ。
ビビッときちゃったんだよね。
『紬はここに行くべきだ!』って、私の勘が言ってた。
それは去年の6月の話で、中学に上がるまで1年もなかった。
だから毎日毎日猛勉強。
寝不足になってまで必死だったの。
あぁ……思い出したくない……。
親に相談した時、2人は快く受け入れてくれた。
『自分が正しいと思う道を生きなさい』って。
お父さんは塾の先生。お母さんは中学校の先生。
もちろん協力してくれたんだけど……。
……思ったより、2人はスパルタだった。
まさに地獄のような毎日だったよね。
でも、そのおかげか、受験には見事合格。
しかも、順位が32位だったの!結構すごいよね!?
だから、両親にはとても感謝している。
協力してくれた2人のためにも、思いっきり楽しまなくっちゃ!
べ、勉強ももちろんだけど……ね、あはは。


