響け、希望と愛の鐘

心当たりなら、ある。

 結婚式の日の夜、ハギくんと片時も離れたくなくて、
 一緒にバスルームで甘い時間を過ごした。

 その後に、優美は初めてハギくんに一晩中愛されたのだ。

 ついでに、ハギくんの鍛えてある身体と、ハギくんと繋がった瞬間の痛みが優美の脳内に浮かんでは消えた。

 帰ってきて早々に顔を真っ赤にした優美を見たら、ハギくんが心配しそうだ。
 
その映像を、ぶんぶんと首を振って脳内から追い出した。


きっと、この子はその時の。

「大丈夫。
 うん、きっと、大丈夫」

 彼は、喜んでくれるはずだ。

 そう思うが、彼を待つ間、不安のほうが勝ってしまう。