響け、希望と愛の鐘

その夜、2人でハドソン川沿いのカフェへ。

 キャンドルの灯りが揺れ、窓からマンハッタンの夜景が輝く。

 ハギくんがポツリと言う。

 「優美、ニューヨーク、めっちゃキレイだね。

 優美とこうしてるの、何か今でも夢みたいで。

 優美ともっと大事な約束、したい」

優美はハギくんの手に自分の手を重ね、目を潤ませる。

 「ハギくん。

 私もハギくんとこの先もずっと過ごしたい。

 約束、楽しみにしてるよ」

 そっと、2人の唇が重なりあった。

2ヶ月後。

 セントラルパークでNPOの初デモが開催された。

 150人以上の参加者が集まり、ピンクのプラカードが揺れる。

『#WomenReclaimSafet』『Safe Spaces for All』のスローガンが響く。

 ジェシカがマイクで優美を紹介。

 「Yumi Mitsurugi, our hero from Japan!」

優美はステージに立ち、英語でスピーチを始めた。

 日本語のキレが、英語で鋭く響く。