響け、希望と愛の鐘

優美は隣にいるハギくんの手をそっと握り、囁いた。

「ハギくん……
アメリカ、ほんとにやれるかな。

 なんか、ドキドキしてる」

ハギくんが優美の手を握り返し、目を細める。

「優美、監禁もデモも乗り越えた。

 一番怖かったのは優美だ。

 それでも、負けなかったし逃げなかった。

 俺、弁護士として、ずっとそばで守るよ。

 ……どんな未来も、優美と一緒なら、全部素敵なものに出来る。
 
そんな気がしてる」

優美の頬が熱くなり、ハギくんの言葉に甘い予感が胸を締め付ける。

「……バカ。
 
そんなこと、ここで言うの、ズルいよ。
 
ハギくんのこと、もっと好きになっちゃうじゃん」

「俺は、好きなんて、とっくに通り越してる。
 愛してるよ? 優美。

 アメリカでデモが成功したときは、
 大事なことを言うつもり。

 心の準備、しておいて」

「何言うつもりよ、もう。

 そう言うなら、楽しみにしておくね!」