響け、希望と愛の鐘

「あー、久しぶりに楽しかった!
 こんなに食べて飲んだの、いつぶりだろう」

お酒を入れたのは少しだけ、だったのだが、優美は、ほろ酔い気分だ。

 少し、ペースを早めすぎたか。

「ホントよね。

美崎さんが話してくれたんだ。

 自由空間の会のリーダーに、と残党が減っていったカラクリを話したの。
その瞬間、鳩が豆鉄砲を食ったような顔してたって!
笑えるよね!

 私が録画してライブ配信したかったくらい」

「何人かはハッカーの適正があったので、宝月家の情報処理室に採用させたっていうのもまた皮肉ですよね。

 まぁ、俺としては優美に怖い思いをさせた奴らなんで、許せませんけど。

優美、さっきからウトウトしてる。

 一番疲れたのは優美なんだから、早く寝たほうがいいよ。

 優華ちゃんも、疲れてるだろ。

 君も、自由空間の会のリーダーが優美を監視しているのに気がついて、特殊能力を使って足止めしてくれてたんだろ?」

「えっ、そんなことになってたの?」

「そうだよー?
 姉ちゃん、自由空間の会のリーダーに後ろから狙われてたの。
 タイミングか合えば狙撃したかったみたいなんだけど。

美崎さんが先回りして、銃のあるアジトがあるって警察に通報してね。

早々と押収したんだって!

ポカンとしてるところに、私がお願いしておいた手はずで木の幹で拘束して、足止め。
 そして逮捕、連行された、ってわけ。

 私、姉ちゃんよりほんの少し早く公園に行って、公園の木にお願いしておいたからね。
 何か不審な動きをしている男は、拘束してほしい。

 姉ちゃんの日本での最後のデモを成功させたい、ってね」

「優華ー!
 大好きー!」

 優美は、ぎゅっと優華を抱きしめた。