響け、希望と愛の鐘

その夜。

 宝月邸のダイニングでは、豪華な料理が並び、真さんや麻紀さんも腕を奮っていた。

 カウンセリングに尽力してくれた深月(みづき)さん。

いろいろ奔走したからなのか、目の下に青いクマが出来ていた。

「深月さん!
 ありがとうございました。
 あの、いろいろと……」

「いいのよ。
 貴女たちの両親にもお世話になったから、
 その恩返しよ。
 
これくらいはやらなきゃね」

優美がお礼を言うと、深月さんは片目を瞑ってくれた。

「えっと、道明(みちあき)さん、でしたよね。
 深月さんだけでなく、道明さんにもご協力いただいたみたいで。
 ありがとうございました!」

「俺は、大したことはしていないよ。

 優美ちゃんが困ってるから力になってやりたい、って。
 自分の患者も抱えてるのに二徹くらいしてる深月を見てられなくて、手伝っただけだからさ。

 無理して倒れるの、深月の十八番だから、放っておけなくて。
 大学時代の仲間に連絡とって、自由空間の会残党メンバーのカウンセリングも手伝ったよ。

 そんじょそこらのブラック企業並みに働いてたからな。

 褒美で1週間くらい、休暇欲しいくらいだけど」

 優美は、今度この夫婦には何かお礼の品を贈ろうと決意したのだった。